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ナチュラルキラー細胞 (NK細胞) は顆粒リンパ球であり、ウイルスや腫瘍に対する自然免疫応答に関与します。NK細胞は、がん免疫療法の分野において、同種異系の “既製 ”治療薬として大きな注目を集めています。その特徴として以下が挙げられます。
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>> 抗原感作無しで腫瘍細胞を殺傷する
>> 複数の細胞を殺傷するため、投与量を減らすことができる
>> サイトカイン放出症候群のリスクを軽減させる
>> T細胞のようなHLA適合性の問題がない
ナチュラルキラー細胞の活性化と抑制性
ナチュラルキラー細胞(または大顆粒リンパ球)は、異常な細胞を殺傷します。自然免疫システムにおいて重要な役割を担うナチュラルキラー細胞は、抗腫瘍活性を制御する様々な活性化レセプターと抑制性レセプターを発現しています。
活性化レセプター
- NKG2D
- CD2
- NCR
- CD16
抑制性レセプター
- KIRs
- CD94
- ILT/LIR
NK細胞キリングアッセイ
NK細胞による抗体依存性細胞傷害の評価
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CAR-NK 細胞のポテンシー評価
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目的: NK細胞によるターゲティングと細胞傷害性の増強を調べました。CAR-T細胞の開発と同様に、抗原の選択は、CAR-NK細胞の開発において重要です。
HER2を発現させたがん細胞に、HER2またはCD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)構築物で形質導入したNK細胞を添加しました。Maestro Zプラットフォームを用いて、CAR-NK細胞による細胞傷害を測定しました。
結果: HER2を標的としたCAR-NK細胞は、CD19を標的としたNK細胞や非導入のNK細胞よりも高い効力を示しました。非導入NK細胞とHER2 CAR-NK細胞の cytolysis の差から、抗原認識と特異性がCAR-NK細胞の効力にとって重要な決定因子であることが分かりました。